さくらまち 185号(2017年10月1日)より


◆ 司祭の言葉

◇ 新しい風 ◇

 

主任司祭

ヨセフ・ディン

転任の発表

 

9月23日、土曜日、普段より忙しい日でした。通常の朝6時半のミサと夕方6時のミサのほかに、10時にグレゴリオ聖歌による追悼のミサがあり、そして午後2時に聖イグナチオ教会での喜ばしい司祭叙階式がありました。

 

今回の叙階は、春から助祭として小金井教会で奉仕してくださった方ですから、小金井教会からたくさんの方々が参加しました。式が終わり、新司祭を囲んで小金井教会の皆さんと一緒に記念写真を撮った後、夕方6時のミサのために慌てて電車に乗って帰りました。教会に着いた時には、すでに5時を過ぎていました。

 

ちょうど叙階式の後、司祭団記念写真の間に岡田大司教から「転任の発表は17時頃にファックスで一斉に送ります」と言われました。教会に着いてみたら、確かに届いていました。

 

9月3日、大司教は前もって小金井教会に来て、運営委員会(行事・財務・総務・典礼・地区代表)に知らせましたが、発表のファックスを手にした時、小金井教会との別れは「予定」ではなく「現実」のものとなったことを寂しく感じました。

 

小金井教会での7年間

 

2010年11月1日付で、僕は小金井教会主任司祭として着任しました。この10月31日で、まる7年間小金井教会のために働くことになります。「7年間働く」という数字は、ヤコブのことを思い起こしました。

 

ヤコブはラケルと結婚するために、伯父ラバンのところで、ただで7年間働きました。しかし、ヤコブはラケルを「愛していたので、それはほんの数日のように思われた」(創世記29章20節)。

 

振り返ってみると、僕の小金井教会での7年間も、あっという間に過ぎました。まだやるべきこととやりたいことがありますが、ダビデはなく、息子ソロモンが神殿を立てたように(サムエル記下7章12-13節参照)、神様は僕ではなく、次の主任司祭にその役割をお与えになるのではないかと思います。

 

「わたしが去って行くのは、あなたがたのため」

 

最後の晩餐の席で、父のもとに帰る時を告げられた弟子たちの悲しみに対して、イエスは彼らを慰めました。「実を言うと、わたしが去って行くのは、あなたがたのためになる。わたしが去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである」(ヨハネ16章7節)。

 

イエスでさえ、この世での使命には期間がありました。イエスの救いの業を継続する弟子たちの福音宣教を支え、導くのは聖霊です。聖霊とは、ギリシア語の「プネウマ」から訳された言葉です。「風」「息」「神の息吹」「神の霊」という意味を持っています。

 

聖霊は、僕を通して、小金井教会に「風」を吹き込まれました。しかし、僕の能力の限界もあります。聖霊は、今度新しい助任司祭・主任司祭を通して、小金井教会に新しい「風」を送ることになると思います。

 

7年間、助けてくれた諸委員会、協力してくれた諸活動会、祈って支えてくれた皆さんに感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 

これからミサを捧げる度に、皆さんのことを思い起こし、皆さんのためにお祈りいたします。