さくらまち 190号(2019年9月1日)


◆ 典礼の花講座

◇ 花と典礼―教会のシンボルとして ◇

聖ペトロ・パウロ労働戦教会

レミ・オード神父

花は、教会で特別な意味をもつ大切なものです。

 

聖書は、園の中に始まります。アダムとエバはエデンの園にいましたし、イエスさまが葬られたのも園でした。ほとんどすべての植物は、天に向かっていて神さまを賛美し、わたしたちの架け橋になってくれます。正しい人は、水のほとりに植えられているナツメヤシの木にたとえられています。

 

祭壇の下、聖水置き場など、教会の意味のある場所に花を飾ることで、教会は生きているところになります。

 

形・数字によるシンボル

 

教会の建物の中の形にも意味があります。座席の四角、祭壇の丸などです。四角はこの世の物を表しています。丸は神さまのことを表しています。イエスさま、マリアさまの光輪は、丸い形です。これらの形は教会のシンボルとなっています。

 

数字にも意味があります。

1 世界唯一の神。

2 相手が必要な契約の意味です。天と地、光と闇、男と女。ペトロとパウロは仲が良いと言えないが、対立したことで2人は教会の柱となりました。これは面白いことです。対立があって1をめざしています。

3 三位一体、イエスさまは3日目に復活されました。

4 東西南北、四季、4人の福音者それぞれ少し角度が違う。とても素晴らしいことです。

5 聖書のもとになるモーセ5書、5つのパン。

6 創世記です。神さまは世界を6日間でお造りになり、6日目に人間を造られました。6は人間的なものを表しています。

7 7日目を感謝する日(安息日)として世界が完成された。物が満ちあふれていても感謝がなければゼロなのです。これは一番大切なことです。

8 復活の日です。イエスさまが弟子たちの前に現れたのは8日目です。復活によって新しい時間に入ることができるのです。マタイの福音書では「幸いな人」が8回くりかえされます。8日目に完全な幸いに入るのです。

 

色(司祭の福など)と花によるシンボル

 

白は一番輝いている色、喜びの色(白と黄色)です。クリスマスと主の昇天の日に用いられます。紫はすこし暗い感じて、待降節と四旬節の色です。赤は受難、血、燃える火、愛を表わす色で、殉教者の日、枝の主日、聖霊降臨のしゅじつに用いられます。

 

花は、どのように1年間の祝いを表わすことができるのでしょうか。このような待っている状況を表わすのは、日曜日ごとに1本ずつつけるロウソクです。ロウソクに、毎日曜日に何か付け加えるのが良いのです。

 

最初は紫、翌日曜日にピンクになり、最後は喜びの色の白になる。クリスマスが近づいていることが一目でわかります。ロウソクの数が増えるのは、暗闇から光の方に行くことを表わします。

 

クリスマスの神秘を表わすための色は白です。クリスマスは2つの意味があります。イエスさまは光をもたらすのですが、同時に貧しさを表わすことも必要です。貧しさは馬小屋の飼葉桶の藁が象徴的です。聖書の朗読に関連して飾る何かに藁を入れるのが良いと思います。

 

四旬節には、花の断食をしましょう。イスラエルの民がエジプトから出て、40年間の道のりを思い出させる時期ですから、石・砂・木などを使い、それを想わせるにはどう飾るかを考えます。

 

復活徹夜祭でとても大切な光はロウソクで表わします。祭壇、復活のロウソクの下、徹夜祭の洗礼式用水桶の下に花を飾り、新しく受洗する人だけでなく、洗礼の約束を更新するのです。「あなたは悪魔を退けますか。あなたは神を信じますか」。色は白と黄色。大きなお祝いは白と黄色がシンボルとなります。墓の大きな石を連想するために石を使ってっも良い。復活は死の世界から命が表れるので、枯木から命の花が出てくるような動きをつけて飾ります。

 

主の昇天の主日の福音で大切な言葉は、「昇られた、あげられた」です。栄光を表わす白と黄色を使い、花で動きを表わすことができます。イエスさまの名によってあらゆる国の人々に述べ伝えられる。同時にイエスさまは弟子たちに全世界へ行きなさいと言います。その動きを花で表わすことができます。

 

(於小金井教会、2019年3月10日)