ABC年

8月15日

聖母の被昇天

五世紀のエルサレムで八月十五日に祝われていた神の母マリアの記念は、六世紀には、マリアの死去の日として東方教会で祝われるようになった。七世紀半ばに西方教会にも受け継がれ、マリアの被昇天の名で知られるようになったのは、八世紀になってからである。一九五〇年にピオ十二世教皇は、マリアが霊肉ともに天に上げられたことを教義として宣言した。教会は、キリストと最も深く結ばれていたマリアが、真っ先にキリストの復活と栄光にあずかっていることを祝っている。(『毎日の読書』より)

 

 第一朗読 黙示録11・19a、12・1ー6、10ab

ヨハネの黙示

 

11・19a天にある神の神殿が開かれて、その神殿の中にある契約の箱が見えた。

12・1また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。2女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。4竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。5女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。6女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、神の用意された場所があった。

10abわたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。

「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。
神のメシアの権威が現れた。」

 

答唱詩編 詩編45・3+4、11+12

 

 神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

 

45・3あなたは人の子のうちたぐいなく美しく、
気品はあなたの口もとにただよう。
4神はとこしえにあなたを祝福される。
あなたは光と輝きを身にまとう。

11娘よ、聞け、耳を傾けよ、
おまえの民と父母の家を忘れよ。
12おまえの麗しさを慕う王を主とあがめ、
心を尽くして仕えよ。

 

第二朗読 ㊀コリント15・20-27a

使徒パウロのコリントの教会への手紙

 

皆さん、15・20キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。21死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです。22つまり、アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです。23ただ、一人一人にそれぞれ順序があります。最初にキリスト、次いで、キリストが来られるときに、キリストに属している人たち、24次いで、世の終わりが来ます。そのとき、キリストはすべての支配、すべての権威や勢力を滅ぼし、父である神に国を引き渡されます。25キリストはすべての敵を御自分の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。最後の敵として、死が滅ぼされます。「神は、すべてをその足の下に服従させた」からです。

 

福音朗読 ルカ1・39-56

ルカによる福音

 

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

46そこで、マリアは言った。

「わたしの魂は主をあがめ、
47わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
48身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、
49力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、
50その憐れみは代々に限りなく、
主を畏れる者に及びます。
51主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
52権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
53飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。
54その僕イスラエルを受け入れて、
憐れみをお忘れになりません、
55わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」

56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。

 

 

◇ 聖書本文は(一財)日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。