典礼暦年(教会暦)

聖なる教会は、一年を通して,一定の日に、キリストの救いのわざを想起して,これを祝う。毎週、教会は「主日」と呼ばれる日に、主の復活の記念を行い、また、年に一度、復活祭にはもっとも盛大な祭儀を行って、主の幸いの受難とあわせて復活を祝い続ける。

 

また、教会は一年を周期としてキリストの神秘全体を、受肉と降誕から、昇天へ、ついで聖霊降臨日へ、さらに、幸いなる希望と、主の来臨との待望へと展開しているのである。

 

教会は、こうして、あがないの秘義を記念しつつ、おのが主の徳と功徳との富を信者に開放するのであって、それによって、この秘義が、あらゆる時に、現存するものとなり、信者はこれに接して、救いの恵みに満たされるにいたるのである。

(第2バチカン公会議『典礼憲章』102)

 

(なお、)一定の日に教会は神の母なる聖マリアを特別愛をもって敬い、さらにキリストのために生き、キリストとともに苦しみ、ともに栄光を受けた聖人たちを記念します。(『カトリック教会のカテキズム要約』242)

「主日」しゅじつまたは「主の日」)

 

キリストの復活の日からその起源を取った使徒たちから受け継がれた伝統によって、教会は7日ごとに過越の神秘を祝い、その日は「主日」または「日曜日」と呼ばれています。(『カトリック教会のカテキズム』1166)

 

典礼暦について

 

①「季節」と「年間」

 

1年で一回りする典礼暦を通して、教会はキリストの神秘を祝っていきます。典礼暦は、固有の特徴を持つ「季節」と、それ以外の期間である「年間」とに分けられています。

 

季節には、第一に聖なる過越の3日間を頂点とする四旬節と復活節があり、次いで主の降誕の祭日を中心とする待降節と降誕節があります。

 

季節以外の期間である年間は、キリストの神秘全体を記念していきます。年間は降誕節の最終日である主の洗礼の祝日の翌日から始まり、四旬節が始まる灰の水曜日の前日でいったん終わります。そして、復活節の最終日である聖霊降臨の主日の翌日から再び年間に戻り、待降節が始まる待降節第1主日の前日まで続きます。

 

② 聖人の祝日

そのほかに、毎年、定められた日に聖人の祝日が記念されます。古来、聖人の死去の日をナタリチア(誕生日)と呼び、その日が祝日として祝われてきました。

 

③ 司教座教会献堂記念日

司教座教会は教区の象徴であり、この教会堂の献堂は、その地方に神の民が正式に教区として発足した日、いわば教会の誕生日として、それぞれの教区で祝われます。

(カトリック中央協議会発行『教会暦と聖書朗読』)


 

待降節(教会暦の始まり)

11月30日もしくはそれに近い主日の「前晩の祈り」から始まり、主の降誕の祭日(12月25日)の「前晩の祈り」の前で終了。キリストの第一の到来を記念する降誕祭の準備期間であり、終末のときのキリストの第二の到来を待望する期間でもある。

待降節の解説

 

降誕節

主の降誕の祭日(12月25日)の「前晩の祈り」から始まり、主の洗礼の祝日で終了。キリストの誕生とその公現を記念する期間。

降誕節の解説

 

四旬節

灰の水曜日から始まり、主の晩さんの夕べのミサの前で終了。キリストの復活の祭儀を準備する期間。洗礼志願者と信者がそれぞれの準備を通して、主の過越の神秘の記念に備える。

四旬節の解説

 

過越の聖なる3日間(聖週間)

主の晩さんの夕べのミサから始まり、復活の主日の「晩の祈り」で終了。キリストがその死をもって人類の死を打ち砕き、復活をもっていのちを与えたことを一年のうちで最も荘厳に記念する期間であり、典礼暦年全体の頂点。

過越の聖なる3日間の解説

 

復活節

復活の主日(復活徹夜祭)から始まり、聖霊降臨の主日で終了。キリストの復活を歓喜に満ちて祝う50日間。50日全体を一つの祝日、大いなる主日として祝う。

復活節の解説

 

年間

主の洗礼の祝日の翌日(月曜日もしくは火曜日)から始まり、灰の水曜日の前日まで続く。その後、聖霊降臨の主日の翌日(月曜日)から再開し、待降節第1主日の「前晩の祈り」の前で終了。キリストの神秘の特別な側面ではなく、神秘全体を思い起こす期間。

年間(前期)の解説

年間(後期)の解説

 

(カトリック中央協議会ウェブサイト)