2020年4月12日 復活祭にあたって

 

主、まことに蘇り給いぬ

 

油谷 弘幸・東京教区

 

 

 これは、主のご復活の出来事に出会った、初代教会の人々の挨拶の言葉であったと言われています。

 

 主は復活したねえ!!

 

 公生活のイエスに接し、ただ者ではないと、感じていた、使徒、弟子、神を畏れる人々は、主の復活の出来事の後、出会いがしらに、こう挨拶を交わしたのです。イエスの十字架の死を目撃し、その不条理をアタマでも腹でも咀嚼できないでいた、多くの方々が、復活の出来事で、ある確信に満ち満ち、それを驚嘆と喜び、希望をもって言い交した言葉でしょう。それ以上、何を説明する必要があるでしょう。それだけで、心が通い、元気を分かち合うことができた。

 

 主が復活なさったじゃないか!!

 

 それで万事が合点が行くのです。

 

 イエスを殺してしまった、ユダヤの状況やローマの支配は全く変わらない、納得がいかない、不条理に満ち満ちた、相変わらずの日常生活の中で、この言葉をワクワクしながら交わし合う、それで十分だったのです。

 

 新型コロナ・ウイルスの脅威のただ中にいる私たちは、この未曽有の出来事の、正体も全貌もつかめず、不条理な不安な宙ぶらりんの状態におります。こんなご時世に、復活祭にあたっても「おめでとうございます」という言葉は、私にはとても素直に出てきません。

 

 だから、元気をもらいたいと思います。

 

 初代教会の信仰の先輩たちに重ねて、是非元気をもらいたいのです。

 

 主は復活しましたねえ!!

 

 互いにこの挨拶を交わしましょう。希望と元気をもって、この言葉を交わし合い、初代教会の方々とともに、わくわくした元気を分かち合いましょう。

 

 主、まことに蘇り給いぬ!!